穀雨企画室の人権ワークショップとは?


 「人権」とはそもそも何なのでしょうか?「人権とは」という問いに対する答えは人それぞれで、一つの正解だけがあるわけではありません。穀雨企画室ではさし当たり、「人と人との関係が、互いに相手の人間性を尊重し、理解しようとするものであり、対等であること」こそが、人権の守られている状態だと考えています。つまり「人権」とは、「いかなる他者からも尊重され、対等とみなされて然るべき、人間としての尊厳」とでもいいましょうか。裏を返せば、「人権課題」とは、人と人との対等な関係性がそこなわれているために生じる課題だということができます。
 人権というと、「~してはいけない」というような“禁止”の文言につい囚われてしまいがちです。むろん「~してはいけない」は、差別や偏見を乗り越えるために、長い歳月を経て多くの人々が了解してきた戒めであって、重く受け止めるべきものです。けれども一方“禁止”は、相手を敬して遠ざけるだけで、豊かな人間関係を新たに構築することを難しくする要素もはらんでいます。場合によっては“禁止”がマニュアル化することで、差別や偏見の解消をかえって阻むこともあるように思います。
 穀雨企画室では「人と人との対等な関係性を捉え直し、つむぎ直すきっかけとなる」ことを常に念頭において、ワークショップづくりをしています。「きっかけ」となる「気づき」や「発見」に満ちたワークショップの場を実現するために、アクティビティには創造的な工夫をさまざまにこらしています。ゲームやクイズの要素を採り入れたり、課題に応じて絵を描いたり物を作ったりというような手法を用いるのはもちろんのこと、ときには参加者が“禁止”の束縛から解き放たれて自由で率直な意見交換ができるような仕掛けも準備するよう心がけています。
 何に気づき、何を発見するか、その具体的な中身はこれも人それぞれですが、ワークショップを企画する穀雨企画室の側で意識しているいくつかの要点はあります。それは以下のようなものです。

 

他者を「知ろうとする」
自分自身の「いま」を再発見する
「ダメ」より「なぜ」を考える
●「普通/当たり前」を疑う
●多様性に気づく
●「切り口」で考える