笠置町で「“人権”を歩く」と題して講演

 3月19日(火)、京都府笠置町の笠置会館で催された「笠置町同和・人権学習公開講座」で「“人権”を歩く~京都・西陣コースを例に」と題して講演しました。昨年9月、笠置町の皆さんが京都市内に人権フィールドワークにお越しになったさい、「東山コース」をナビゲートさせていただきましたが、それがご好評をいただいたようで、今回は私が笠置町に赴き、ご要望にお応えして、私が常々心がけている、観光の愉しさも兼ね備えた人権フィールドワークの醍醐味について、講演という形で皆さんにお伝えしました。

 よく知られている“人権ゆかりの地”を、点を結ぶようにして移動しながら見て回るのではなく、街をそぞろ歩きながら、人々の暮らしを感じ、街の歴史を感じ、もちろん、ときには名所旧蹟にも立ち寄り、人間の生活の営みが営々と繰り返されてきた場には必ず“人権”を考えるモチーフが潜んでいる、という気構えで、いろんな発見をしていただく…というのが、私の実施している観光&人権フィールドワークです。お集まりの皆さんの中には「東山コース」に参加された方も多かったので、講演では、「西陣コース」を例に採って話を進めました。ちょうど3月14日に大阪府泉南市の皆さんを「西陣コース」にご案内したばかりでしたから、そのときの写真をスライド上映しながら、皆さんに「西陣もぜひ歩いてみたい」と思っていただけるようにお話ししたつもりです。

 笠置町は京都府の最南東、三重県・奈良県との府県境の近くに位置しています。京都と奈良の間、あるいは伊勢へ到る往還の途上にあるわけですから、当然、豊かな歴史を秘めた町でもあります。笠置山寺などの史跡は言うに及ばず、いろんな歴史上の人物にまつわる伝説等も多く語り継がれているといいます。

現在は人口1600人ほどで、京都府内最小規模の自治体であり、それだけに町政はさまざまな課題に直面しているようですが、であればこそ、笠置町でもぜひ観光&人権フィールドワークのコースを策定し、町歩きする人々をどんどん呼び込み、町の活性化の一助としていただきたいと思います。

 講演を主催した笠置町同和教育推進協議会の山本会長からは、地元の同和地区(会場の笠置会館もその中にありました)の歴史についてお話を聴かせていただきました。小さな川を挟んで「一般地区」と向き合う同和地区の歴史には、一般地区との関わりのあり方をめぐるさまざまなエピソードが秘められています。 町歩きの途中で同和地区にも立ち寄り、こうしたエピソードを聴きながら部落の人々の来し方に思いをはせるのもとてもいいことではないでしょうか。

北野天神にて
北野天神にて

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コメント: 1
  • #1

    tutaj (土曜日, 04 11月 2017 02:24)

    bolesławski